博士は就職できないって本当?博士で就活した私がぶっちゃけます

私は修士(大学院)のときに就活をしていました。なので大学生・大学院生の就活についてはよく知っていると自負しています。しかし、恥ずかしながら、博士の就活についてはよく知りませんでした(爆)

よく「博士の就職って大変」って噂で聞くものの、博士の就職の実態は知らない方が殆どなのではないでしょうか?実際に調べてみても、博士は就活に関するリアルな体験談が殆どありませんでした(泣)

そこで、今回は博士で就活した方に「博士は本当に就活できない」を記事にして頂きました!では、早速バドンパスしますね!

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「博士は就職できない」なんて嘘!

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結論からいうと、博士に行ったら就職できないという噂は嘘です(爆)まあ、そもそも博士である私や私の同期もみんな就職しています笑

ですが、博士に行ったらやばいという話はたくさんあります。実際に、博士の悲惨な人生について面白く描いている「博士百人の村」は一時期 話題となりました。

要約すると、こんな感じです。

  • 約70%:正規の職
  • 約5%:異分野への転向
  • 約15%:無職
  • 約10%:行方不明 or 死亡

この数字をみると、約25%が行方不明・死亡・無職なんてやばすぎですよね(焦)ただ、この数字を信じている方も多いですが、正直本当かどうか怪しいです。というよりも、本当にそんな教育課程が存在しているなら社会問題です。

「博士百人の村」の信憑性はない理由

実は「博士百人の村」は、実態とかけ離れた文科省の統計を基にしています。その理由は2つあります。それがこちら!

  • 1つ目:調査時期
  • 2つ目:調査方法

☑その1:調査時期が曖昧

1つ目は調査時期がおかしいです。この調査は、多くのドクターが進路を決めていない時期に統計を取ってしまっており、無職率が高く算出されています

なので行方不明・死亡・無職が高く割り出された時期を一部抜粋したデータでしかありません。

☑その2:調査方法が難しい

博士はみなが同じタイミングで卒業するわけではない上に管理が緩いので、正確なデータ集計が難しいのです。なので、そもそも確実性のある調査方法は現実的に存在しえないです。

ちなみに、わたしはこの統計では、行方不明・死亡に分類されています(周りにきていた調査票すら届いてません)。最終的な就職率(非正規含む)は約80%くらいで、行方不明・死亡は約5%程度です。

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とはいえ、修士と比較してみると…

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修士課程と比較すると、修士の就職率は進学者を取り除いて計算すると、約90%です。一方で、博士の就職率は約80%で低くなっています

しかし、実際に博士で積極的に就職したいと考えている学生は、そもそも約半分程度です。すなわち、就職している博士の一部は、しぶしぶ就職しているのです。なので、就職するモチベーションが低くても大多数は就職できる背景から、博士でも十分就職できるともいえます

とはいっても、「博士の就活が厳しい」という声を就活中に、博士仲間からよく聞きました。実は、私も自分の就活序盤で「博士の就活は厳しい」と感じていました。

博士のリアルな就活 その1:あれ?修士よりも就活厳しい?

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あまり、定まった職に就く確率がかわらないはずなのですが、就活で苦労する博士は多いです。新卒採用に挑戦していた私は、序盤で苦境に陥りました

実は、私にはひそかな自信がありました。博士進学を決めていたのですが、物見遊山気分で修士のころに就活して、確かな手ごたえを感じていたのです(内定3件)。しかし、博士で就活を始めた途端、壁にぶつかってしまったのです

☑障壁 その1:エントリーシートの通過率が劇的に悪い

本当に、エントリーシートが通らない。修士の時、気軽に出して通っていたエントリーシートですが、保険のつもりで出していた中小企業を中心にがつがつ落ちるようになりました。中には、エントリーボタンすら出ない企業もありました

エントリーシート通過後の説明会で、はっきりと「うちは博士を採用していない。」と言われたこともあります。(なら、エントリーシートで落とせや(# ゚Д゚))

そう、採用プロセスのスタートラインに立つことができないケースが多かったのです。

☑障壁 その2:面接でやたらに「意欲」を問われる

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これも、修士のころとは違いました。修士のころは、多少専門と違う分野でも「意欲のある人」という前提で面接が進んでいました。

しかし、博士の私に対して、先方のスタンスは「専門と違うことはやりたがらないのではないか?」という前提に基づき、とげとげしい面接が行われていました。これには、正直すこし閉口しました。

博士のリアルな就活 その2:修士にはなかった有利な一面も

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危機感を感じた私は、自分の選考通過に関して整理し、妙な法則を見つけました。エントリーシートの通過率の悪さに気を取られて、気が付かなかったのですが、振り返ってみると博士の就活には2つ有利なことがありました!

☑有利な点 その1:面接通過率が修士より上がった!

面接通過率は修士のころと比べると上がっていました。私の意欲に対する疑いを先方が前面に押し出してくる感じの悪い面接であったとしても、通過はしていたのです。

面接が通過していたのは自分の専門にほぼ直結する研究開発を行っている中小メーカー、もしくは専門と特に関係がない大手メーカーが中心でした。また、修士のころ全く縁のなかった、コンサル関連の通過率が有意に高くなっていました。

☑有利な点 その2:選考で融通が利くようになった!

もう一つ、修士のころには絶対にありえなかった現象も起こっていました。ある企業の選考期限を過ぎてしまったのですが、どうしてもエントリーしたかったので直接問い合わせると、履歴書と研究概要の提出を求められ、あっさり面接選考からの参加となりました

修士に関しては、横一列の採用なのですが、ドクターに関しては柔軟に対応しているのだそうです。これも、自分の専門とかかわる企業でした。

私は、思い切って人事の方に、質問してみました。すると、ある企業の人事の方は、こうお話しになりました。

「基本的にはドクターとかなんとか言う前に人柄重視なんですけど、ドクターの特色は高い専門性もしくは高い論理的思考能力・グループワーク能力にあると考えています。だいたい、この3つが基準になりますかねー。」

確かに、選考が進んでいるところは、専門性がマッチしているか、論理的思考力が周囲よりは問われる職であることが多かった印象です。

博士のリアルな就活 その3:博士を売る先の選択が大切

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そう、博士になっても修士新卒ののりでざっくばらんにエントリー企業を決めて就活してしまった結果、そもそも私の需要がない企業に対して大量の無駄ダマを撃っていたのです

修士の時は専門性を重視する度合が低かったので、多少違う分野の企業を受けても問題なかったのですが、博士はそうではありませんでした。大企業とコンサルの通過率が上がったのは、論理性の向上が原因だったのではないかと考えています。

もしあなたがドクターなら、自分を受け入れてくれるかどうかを直接確認した上でエントリーすると、かなり効率の良い就活ができます。博士は就職できないというのは嘘です。しかし、博士の就職は、修士のそれと少し傾向が違うことが理解していただけると思います。

博士のリアルな就活 その4:企業の立場で考えることが大切

なぜ、私のようなミスマッチが起こってしまったのでしょうか?それは、自分の都合だけを考えた応募を繰り返していたからだと思います。修士の時は、それでも十分通用しました。

しかし、博士というだけで採用しない企業や専門外の事業が中心の企業にそれは通じませんでした。実際、ドクターは周囲の新卒とことなり、やや高めの給料をもらうことが多いです。なので、その付加価値に見合うかどうか頭の片隅に置いときましょう

私が就活経験と取材範囲でわかった人事が意識していることは以下の2つでした。是非参考にしてみてください。

  • 人柄:一緒に働きたい人かどうか?
  • 違う業務だからといって思考停止にならない程度の、地頭

最後に

博士というだけで選考から外してしまう企業はあります。その分、修士の時よりも窓口が狭くなっているように感じます。なので博士で就職する方は新卒にはない大変な思いをするでしょう

とはいえ、入社する会社は1社ですので。たくさんの内定を必要としているわけではないはずです。焦らず、博士採用がある企業を探せば、良いだけです

エントリー・書類選考は難しかったとしても、通過できればその後の選考フローは有利になります。なので、博士採用の少なさに必ずしも悲観的になる必要はありません。

博士で就職を考えている方の参考になれば幸いです!

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